「先生もなんか魔法見せてください。」

石動が言う。

「俺じゃ、力が強すぎるんだよな。」

「まぁまぁ、何かやってみせたら?」

「学園長!?

何でいるんですか?」

「記念すべき魔法の初授業だもの。


それより、何かやったら?」

「何かって?」


「じゃあ、桜の樹をもう一回出したら?

次はもっと大きいやつを。」

「大きいって、どうやってですか?」


「ブレスレットを着けた手に集中すればできるわよ。」


「まぁ、じゃあやりますけど。」

「皆、注目!

スゴい魔法を使うわよ!」

学園長が生徒達に呼び掛ける。


「見せ物じゃないんですけど。」


「良いから、ここに立って。

この芝生に枯れない桜を植えましょう。」

「植えるって言うか生やすんですけどね。」



「お兄さん、魔法陣です。」


「先生、僕のブレスレットを使ってください。」


「じゃ、一丁、俺の凄さを見せてやるよ。」


ブレスレットを着けた右手が光った。


「右手に集中、だな?」

ゴウッ、

手がさらに輝き、周囲にわずかに風が巻き起こる。


「いっけぇーーー!」


魔法陣に手を叩きつけた。


ぶわっ、


「桜吹雪!?」

一面が一瞬、桜吹雪に包まれて大きな桜の樹が生えた。