「魔法を消すって最強の能力じゃないですか。」

「違うわ。

私は魔法に体が触れないと消せないから、幸大君みたいに表面に出ない力には勝てないわ。

それから、上から魔法で作られていない物を魔力で浮かせられて落とされたりしたら、物そのものの重さに潰されるわ。」


「他の魔法も使えるんですか?」

「そうじゃなきゃ、魔法学園なんて作れないわ。」

「魔力分解と同時に他の魔法って使えますか?」

「ええ。

魔力分解を条件指定すればね。

まぁ、魔力分解は魔力の消費量が多いから同時になんて滅多に使わないわ。」


「でも、自分でやってみてやっぱりけっこう危ないって思いますね。」


「そうね、普通の生徒がやると、一輪の花が咲くの。

樹を生やして花を咲かせる人はいないわ。」

「…そうですか。」

「だから、授業の時は貴方自身が気をつけてね。

貴方が一番危険なんだから。」


「危険な男、ですか。

なんか、ワイルドな響きですね。」

「どれくらい危険か、私が試そうかしら?」

「まだまだ経験が浅いので遠慮します。」


「そう、残念だわ。

次の授業が初仕事よね?」

「そうです。」


「頑張ってね。」