ガチャッ、

男がドアを開けた瞬間…


バキィッ、


男が吹き飛ぶ。


「おい、何やってんだ?」

「は?

何でお前が!?

どうやってここが…」

「よぉ、2人とも元気か?」

「幸大、遅いわよ。」

「お兄さん!」


「…本当に、来た!?」


「おい!

奴は魔法が使えんだろ!?

全員でかかるぞ!」

ゴウッ、

2人が人狼へと姿を変えた。

「おい!

お前もだよ!」


「…、僕は。」


幸大が人狼から目を背け、男を見る。


「何だ、お前?

人狼なんだろ?」

「…でも、僕は、僕は」

「お兄さん、この人は人質をとられて無理矢理やらされてて…」


「お前、男だろ?

なら、自分で動けよ!


どんな状況で、どんなことをしても、それがどんなに卑劣でも、自分の願う結末が得れるように動けよ!」


「…、僕は、人狼。

誇り高き人狼!」


「良いぞ。

お前は俺達と同族。

誇り高き人狼。

なら、やることは解るな?」


「僕は自分のやることに誇りを!」


ゴウッ、

人狼になる。

「ウアァッ!」

二月姉妹に向かい爪を起て、腕を降り下ろした。

スパッ、

「これが僕のやり方だ。」


人狼は縄を切り裂いた。

「ありがとうございます!」

奈都が御礼を言う。

「早く彼女の所に行ったら?」

亜紀が促す。


「…寮の部屋の鍵も、生徒手帳もとられてるから、」

「おい!」

幸大が手帳と鍵を投げる。

「これは?」

「俺の教員パスと寮のマスターキーだ。

お前の話から察するに、寮に居るんだろ?」

「ありがとうございます!」