大人しく鎖につながれ
佇む修二


その姿に
耐えきれなくてダンは口を開いた




「なぜ、人間なんかに恋をした?!
お前にはエリザベスだっていたし
…何不自由ない暮らしだって
未来だってあったはずだ。」


「…理屈じゃないんだ。

始めて彼女を見た瞬間
俺の全ては彼女に吸い込まれた。」




「警告しただろ!?
人間とは交わるな…と

こうなるわかっていて
何故…なぜ、アイツを選ぶんだ。」


悔しげにダンがこぶしを握り締める



「何故だろうな…

確かに
こうなる事はわかっていた。

いつまでも
今のままではいられない事も

でも
それでも…もしかしたら
このままずっと一緒にいられるかもしれない
…そう思えるほど…

彼女は俺に幸せを与えてくれた。」


修二は冴と過ごした日々を思い返す
消して多くはない時間

それでも
文化祭のメイド姿や愛らしい寝顔

すぐに怒って膨らむ頬
その柔らかさ…


全てが
こんなにも愛おしいと思えるのは

冴しかいない…