泣き虫Memories

眩しいほどの朝日に、僕は起こされた。
『おはよう。』と、誰かに起こされることもなく。

朝が来ても、パパとママはいなかった。
どうして…?
どうして僕ひとりなの…?
パパとママはどこにいるんだよ…っ

不安と恐怖が、一気に押し寄せて来た。
もしかすると二人はこのままどこかに行ったまま、帰ってこないかもしれない。
そうなれば、僕はひとりぼっち…。

いつもママがそばにいた。パパは夜、仕事が終わり、疲れきった顔で家に帰ってくる。
今まで、パパとママが朝まで居なかったことなんて、無い。


きっと、よくないことが起こったんだ…。
二人の身に、なにか起きている…?

…どうしよう、どうしよう、どうしようっ!
帰ってこないかもしれない!
僕は、ひとりぼっちになってしまうの!?
嫌だ!嫌だぁぁ!!


『パパぁ!!ママぁ!!どこにいるのぉー!!』


大きな声で、叫んでいた。
返事が返ってくることを願った。
不安と恐怖が入り交じった大粒の涙が、叫び声と一緒に溢れだす。
『うわぁぁん!!パパぁ!!ママぁ!!』


『……っ!!』


どこからか、声が聞こえた気がした。


『……いっ!!』


パパ? ママ?
いや、違う。
一度も聞いたことの無い声が、確かに聞こえてきた。



『うるさいっ!!男だったらメソメソ泣くなぁ!!』