泣き虫Memories

12月24日。
昨日は家族でご飯を食べに、街に出掛けた。

車の窓越しに、外の景色を眺める。
街は賑わっていた。
イルミネーションや、クリスマスツリーがキラキラ輝いて、まるで夢の世界に迷いこんだみたいだった。

『ママ、見て!サンタさん!』
ちょうど信号機待ちをしているときだ。
僕の目に飛び込んできたのは、絵本からそのまま出てきたかのような、サンタクロース。
『わぁ!!本当だ!』
隣に座っている…ママも、驚いている様子だった。
『サンタさんか…。今年のプレゼントは何だろう。』
クラスの半分くらいが、サンタさんはいないと言っている。
僕は、きっと本物がどこかにいるって信じてるけど。
『そうねぇ。もう準備してあるんじゃない?』
『僕が欲しいもの、分かってるのかな。』
『う、う~ん。子どもは世界にたくさんいるからねぇ。難しいかな。』
ははは、とママが苦笑いした。
その様子をミラー越しに見ていたパパは、大笑いしていた。
ママは身を乗り出して、他人事じゃないのよ、だとか、あなたが決めたのよ、とか何やら文句を言っているみたいだ。
よく分からないけど、そんなパパとママを見ているのは楽しかった。