泣き虫Memories

こつん。こつん。


途中、自動販売機で買ったホットココアを握りしめながら、二人で薄暗い階段をのぼる。
不気味な古い階段の先には、これまた不気味なドアがあった。
『ここ、屋上?』
僕が尋ねると、
『そう!だから暖かい格好してって言ったんだよ。』
じっとりとした目でこちらを見てくる。
…ごめんなさい。
僕も目で返しておいた。
『じゃあ、行こうか。』
亜美がドアノブに手をかけた。

キィー……。