「とにかくもう来んじゃねぇ。早く帰れ。」


「言われなくてもさっさと帰りますから。」




あー、可愛くない。


でもこれでいいんだ。
こうやって、どんどん自分の中から成宮玲音を消していく。





正直、ここに来るなって、「俺の大事な場所に足を踏み入れるな」って言われてるみたいで辛かった。

少し俯くと涙がこぼれそうだった。




一刻も早くこの場所から逃げたくて、私は早足で姉のいる居酒屋に向かった。