しばらくの間、


わたしは止まったままだった。

…ただ、目の前の少年を、

見つめる。



―木に寄りかかっていた少年は

いぶかしげに深い茶色の瞳を
細めた。



「…なんか用でもあるのか…?」


…わたしは、言葉を、はっせない。

―沈黙が、続く。



「…?」