神谷さんは魔女みたいだ、とぼくは思う。





とても賢くて綺麗だけど、彼のほとんどは謎だ。





そもそもなぜあんなところに住んでいるのだろう?






まだ若くてばかなぼくにはわからない。





でも、神谷さんのことを知りたいとは思わなかった。





ぼくは神谷さんを知ることが恐い。





知ってしまえば、なにかが変わってしまうような気がする。





知ってしまえば、もう戻れない気がする。





神谷さんはぼくが、一番尊敬する大人。それだけで十分だった。