龍樹を寝かせている部屋は、宮の中でも端の方に位置する清流の音しか聞こえないような静かな部屋
部屋場所をポロリとでも、もらしたら宮のやつら全員で押し掛けそうだったから、教えていない。
みんながみんな待っていた龍樹。
「龍樹…。」
眠っている龍樹は、息こそしているが死んだように眠っている。
二度と目を覚まさないようにとでもいうのだろうか?
「龍樹…。」
どうか、どうか目覚めてくれ…。
続く二言はいくらでも言える。
けれど今はただ目を覚まして、俺を見てほしい。
どんな罵声・雑言・憎悪を向けられても、
嫌われても。
ずっと取り戻したいと願っていた


