自分のことには無関心なのか、髪を無造作にのばして適当に結っている。


顔もはっきりしていて、性格もよし。


俺としてもいい世話役だ。世話役というより兄弟のように思ってきた。





「龍轍様もお帰りになってお疲れでしょう。奥でお休みになってよいのですよ?」



「いや、いい。
もうしばらくここにいる。」



あぁ、本当に帰って来たんだな。


それを実感しながら、宮の夜はふけていった。





















おらおら!酒が足りねぇぞ!!ヒィク


あんたはさっさと酔いつぶれな!!


こんな時に飲まねぇでどうする?何のための酒だよ?ヒィク
おら~みんなで祝うぞ、ヒィク、龍樹様のお帰りとこのよき酒に!!


酒は関係ないだろうが!!




アハハハハハハ




「俺も帰って来たんだが…。」


「まあまあ、はい酌しますよ。」


「悪いな。」



瑣萬に酌されながら悪態をつくものの龍轍の顔には笑みが浮かんでいた。