そして、久々に宮へと帰ったときには、 母様はとっくに息をひきとっていた 最後に母様は 「すまなかった」 とうわ言のように呟いていたそうだ。 いったい誰に向けてか解らなかったが 母様は衰えていく体と自分を追い詰めていた。 俺がもっと早く帰っていたらと何度も思った。 母様の葬儀を終えてから、俺は一度も宮へと戻らなかった。 躍起になって龍樹を探した。