さっき声のやつは、どこに隠れてるんだ


「この宮の後嗣を、この俺を忘れたか!!!!」



声を張り上げて言うと、洞窟全体に響いた。



これだけ言えば分かるか。


「あっ…あなた、あなた様は……。」



語尾が震えているところをみると、やっと分かったか。



「もっ申し訳ありません!!」


と勢いこんだ声と共に手前の柱から青年が出てきた。


そして、額を地につけ平伏する。



「長旅のご帰還でしょうに、龍轍様にとんだご無礼をこの所業どうお詫び申し上げたらいいか。」



どうやら、そうとう反省しているようだ。