君は後ずさるばかりで




来ないでと言う拒絶の言葉は一言も発しない



君は微かに震えているのに気付いてる?




じわじわとゆっくりゆっくり追い詰めていく




グラッ



あぁ、縁側にうまく倒れてしまったな。


こわいんでしょう?


どうして?逃げないの?





逃げても捕まえるけれど……。


つかまえる



ダン


いつの間にか刀を菜舞露の頬の横に突き立てていた。


恐怖で見開かれる君の瞳


刀が邪魔になったからそこらに適当にほおった。





自分の下敷きになっている菜舞露を見下ろす。








あれ?


「この簪はどうしたの?」