「ちょっと冷酒をすすめてみたらうまいって言って飲むから面白くてな。」
「ちょっとってちなみにどのくらい?」
嫌な予感がするが……。
「徳利(とっくり)5・6缶くらいか?」
ブチッ
「何が5、6缶ですか!?そのくらい飲めば普通酔います!!」
「そんな怒鳴んな。龍樹が起きるだろう。」
龍樹様は龍轍の腕の中ですやすや眠っている。ほんのり頬が赤く染まっていた。
もう一度説教してやろうかと思って口を開きかけたが、
「龍樹。」
あまりにも……。
あまりにも……。
龍轍の顔が龍樹様への愛しさに溢れていて言葉を失った。
「瑣萬、これでよかったんだよな。」


