「龍樹が行きそうな場所……。」 例え記憶がなくても感覚的に解るものだろうか? だとしたら 「藤咲宮(とうしょうぐう)か彬茶宮(あきさのみや)ぐらいか…。」 あの場所からなら近いのは、藤咲宮だ。 「なんかもうかくれんぼに思えてきたな。」 昔のことを思い出しながら、藤咲宮への足を弾ませた。