「なら、入っていた水を捨てればいい。」


「それは……。」



入っていた水


龍樹が人間としてやつらといた時間




「またさらに龍樹様の負担になるだけです。


記憶というものは、そんなぞんざいに扱っていいものではありません。」



「……。」



瑣萬のいうことは、もっともであって


けれどそれに納得のいかない自分がいるから、口をつむぐしかない。




口を動かさないかわりに、手を動かし紙に筆を滑らせた。


瑣萬もなにも言わなくなり、会話はそこで終わった