「まだ起きない……。
永遠に起きない可能だってあります。
記憶の喪失、穢れ、人間の悪意・憎悪などなど
龍樹様のおられた環境はあまりかんばしくない。
覚醒もまだでしょう?」
「あぁ。」
龍神の一族として、覚醒は重要性が高い。
「記憶の喪失、穢れ、人間の悪意・憎悪……。
それでも龍樹は一度目を覚ましたんだ。」
「本当ですか!?
しかし……。
様子を見ないとわかりませんね。
わたし的に、龍樹様の眠りの原因は、記憶の掘り起こしというか
例をあげるとしたら
いっぱいの水が入った容器の中にさらに違う水を加えた
感じでしょうか。」
「つまり、龍樹という器の中にその新たな水は入りきれなかった。
と言いたいのか?」
「まぁそんなところです。」


