「秋だねー。おいしい季節がやってきたよー」
「またまた、うさは食い気だなー」
「そういうさやかこそ、その手にかかえてる食べ物の量は何?」

あはは、と笑いあう秋のはじまり。

さやかの手には、さっき買い食いした焼き芋のゴミとか、今食べてるポッ〇ーとか、とにかくすごい量がかかえこまれています。

「乙女ならさー、落ち葉見てキレーとかさ、いえないもんかねー」
「もぐもぐいいながらいわれたくありませんね」

結局、どっちもどっちというわけです。

「そういえばもうすぐ文化祭やら何やらで忙しくなる季節かー」
「あ、そっか」

さやかはポッ〇ーを一本食べ終わると、新しいのを取り出してわたしに向けた。

「な、なに?」
「忙しくなる前に、告っておくべきでは? うささん!」
「はえ!? いきなりそんなこといわれてもー!」

告るというのは、もちろん、

「綾三月先輩に……デスか……?」
「もち! 他に誰がいる?」

他に……。

「!!」

や、なんでそこで羽夢の顔がでてくるの!
アイツは恋愛対象外でしょ!?

いや、あっちはそう見てるみたいだけど!