「うさ」 ……聞こえる。 「うさ」 わたしを呼ぶ声。 もう聞き馴染んだ声が、わたしを呼ぶ。 「誰?」 聞き馴染んではいるけど、誰だかわからない。 「うさ」 「……呼んでるだけじゃ、わかんないよ……」 すると声は、わたしの名前を呼ぶのをやめた。 「……?」 「俺は……えの……と……むだ」 何かいってるけど、途切れて何をいってるかわからない。 「もっとはっき……」 「俺は」 突然、声がはっきりと聞こえた。 そして。 「俺は、うさが愛してる人だよ」 「……!」 そこで、目が覚めた。