そんなわけで始まった夏休み。 「うさー! 夏休みだからっていつまでも寝てんじゃないのー!」 「うーん……」 下からお母さんの声が聞こえる。 わたしはしぶしぶ起きた。 「いいじゃん夏休みだし……」 いつものように制服を着ようとしたけど、 「あ……学校行かなくていいんだった……」 といって制服をもとの場所に戻す。 眠い……。 パジャマのまま部屋のドアを開けたとき、急にフラッとした。 「むぎゅ」 床に倒れたハズなのに、倒れた先は温かくてやわらかい。 わたしはゆっくり顔をあげた。