羽夢は、 「そうかよ……」 といって、わたしから腕を放した。 そのままわたしの横を無言で通り過ぎて、階段を上っていった。 「…………」 一人残されたわたし。 涙があふれた。 辛いよ。 苦しいよ。 切ないよ……。 羽夢はいつもわたしのそばにいた。 それが当たり前だと思っていたのに。 離れていってしまった。 わたしのせいで。 わたしがそう仕組んだから。 「…………ごめん……」 わたしの気持ちにウソついたこと。 羽夢を傷つけてしまったことに、わたしは謝った。