「トイレ行って来る」




「ついて行こうか?」



「…死ね」




「うわーヒドっ」




わざとらしく泣き真似をする圭を置いて、教室を出る。




それが、間違いだった。




「爽麻」




後ろから名前を呼ばれて、歩みを止める。




誰かはすぐに分かった。




無視したいところだが、早く決着をつけたい気持ちもある。




「何」




振り返った先、立っていたのは昨日の女。




…見るだけで吐きそうなんだけど。