「シオリ?」




「…っ!!」



しまった。




後ろから声をかけるのは避けていたのに。




名前を呼んだにもかかわらず、シオリは振り向こうとしない。




何かあったのだろうか。




「シオリだよな?」



「…うん」




顔がはっきりと見える範囲まで近付くと、シオリはやっと顔を上げた。




「こんな時間までいたのか」




「え…あ、うん」




一体何をしてたんだ?




もう真っ暗だし、外にいるのは辛いはず。




じっと見つめると、シオリは視線を地面へと逸らす。