やっと泣きやんだシオリが、普通に笑ったのを見て安心した。




「…でも、何でだろう。」




「何が?」




「爽麻があたしに触れられる理由。」




「…さぁ」




俺にもそれは分からない。




「深く考えなくていいから」




シオリは、考えなくていい。







……何となく、分かる気がしていたんだ。




自分の中に芽生えた感情。




決して気付いてはいけない感情。




でも、気付いてしまった今、どうしようもない。




伝えるつもりはない。




ただ、シオリのそばにいられるなら、それでいい。