「うっ…」




苦しそうな顔をするシオリに、視線をやる。




…さっきからずっとそうだ。




「大丈夫かな、シオリちゃん…」




「………」




心配そうにシオリを見つめる圭。




「……っ!!」




いきなりシオリが目を覚ました。




驚いた顔をして、俺と圭、周りを見ている。




「…どうして、ここに?」




そう訊ねる声は、聞きとるのが精いっぱいだった。




「爽麻が運んだんだよ」




圭がそう答えると、シオリは黙ったまま俯いている。




…頭の中が混乱しているのだろう。




圭が説明したが、まだ戸惑っている。