「触れないんじゃ…?」




混乱している圭に視線をやる。




「とにかく、連れて帰るぞ」




「そう、だな…」




シオリを持ちあげて、来た道を戻る。




…おかしなことが起こっている。




生きている俺が、シオリに触れている。




そんなことはあるのだろうか…。




でも、圭はシオリに触れることが出来なかったはずだ。




なぜ、俺は触れることが出来ているんだ…?