「……」
2人の話を聞きながら、あてもなく歩く。
辺りは真っ暗で、人影も全くない。
俺に会う前、シオリは夜になるとどこにいたんだろうか。
暗いのは嫌だと言ってたし、街の方か。
俺の周りは家ばかりが立ち並んでいる。
だけど帰宅時間の遅い人達ばかりなのか、どの家も灯りがない。
女1人で歩くには、危険すぎる場所だな…。
シオリには夜の外出禁止命令でも出すか。
「殺さないでっ!!」
「!!!」
いきなりシオリが大声で叫んだ。
俺と圭がシオリを見る。
叫んだだけならいいが…シオリが発した言葉に、驚かずにはいられなかった。