「おかえり、爽麻」




「……っ」




一瞬、固まってしまった。




“おかえり”




柔らかい声。




優しい笑顔。




…懐かしい響きだな。




1人暮らしを始めてから、そんな挨拶を交わすことがなかった。




忘れかけていた。




…でも、思い出させてくれた。




「ただいま」







まだ出会って間もない、幽霊のシオリ。