「とにかく帰ってみないとね」




黙ったままの俺に、圭がそう呟く。




…まぁ、確かにその通りだ。




「あー…」




隣で残念そうな声を出す圭に視線を移す。




「俺、今日用事あるんだった」




「……」




「爽麻ん家に行こうと思ったんだけどなー」




…だろうと思った。




圭は毎日のように俺の家に来る。




自分の家のように思っているのはちょっと癪だが…圭だから許せる。