嬉しそうに隣を歩くシオリ。 高校というものにそんなに興味があるのか。 「いーな、学校」 「お前にとっては…そうかもな」 俺は楽しいと思ったことはない。 「ここ」 俺が通う高校の門前。 シオリは校舎をじっと見つめ、俺に視線を移す。 「行ってらしゃい!」 …いつぶりだろうか。 そんな風に、笑顔で言ってもらったのは。 急に照れくさくなって、俺は背を向けた。 返事しないとかわいそうだから、片手を上げた。