「シオリ?」




名前を呼ぶと、シオリは目を開けた。




「どうした」




「…ううん、何でもない」




そう言って笑っているが、無理しているのが分かった。




…シオリのなくした記憶は、どんなものだろうか。






電気を消して、ベッドに入る。




何で俺がベッドなのか…。




シオリが拒否するから仕方ない。




遠慮なんてしなくていいのにな。




遠慮されるのはあまり好きじゃない。




…遠慮のない女達は大嫌いだけど。





「……」




明日からどんな1日が始まるのだろうか。





そんなことを考えながら、眠りに着いた。