「シオリちゃんはちゃんといるよ」




「……」




「爽麻の心ん中にずっといる」




そうか……。




俺が忘れなければ、シオリは消えない。




たとえシオリが俺との記憶を忘れても。




俺が一生覚えてればいい。




「…っ」




シオリと交換した指輪。




これが、シオリが俺といた証。




強く握りしめて、目を閉じた。