「シオリちゃんはさ、」 「…っ」 壁に寄りかかって、圭が呟いた。 「幸せだったと思うよ」 「……」 「きっと、笑ってるよ」 体中が熱くて、涙が零れる。 痛いくらいに分かった。 ……俺は、シオリを愛してた。 好きとか、そんな単純じゃない。 もっともっと、深いもの。