「よくやったよ、お前」 圭がそう言って笑うから、我慢してたはずの涙が出そうになった。 でも、泣くのは嫌いだ。 自分が負けた気持ちになるから。 「…別に」 圭に背を向けて、台所に入る。 「何隠してんだよバカ」 「……」 「泣きたいなら泣けよ」 圭の大きな声が響く。 「泣くことは間違いじゃない」 「…っ」