シオリが寝ているソファの端に腰かける。




シオリの髪に触れようとした。




…でも、俺の手は透けた。




別れが、近付いてきている。




少しずつ、だけど確かに。




「…っ」




胸がぐっと掴まれたように痛くなった。




もう…触れられない。




覚悟していたはずなのに。




それは、思っていた以上に辛かった。