シオリにどこに行きたいって聞いたら、夜の海がいいと言われた。 …夜の海。 あまり行ったことはない。 シオリが喜んでるから、本当に好きなんだろうなと思った。 「そろそろ行くか」 「うんっ」 嬉しそうなシオリを見て、窓の方に視線を移す。 もう暗くなってきている。 人はいないだろうし、安心できる。 シオリの手を握って、玄関に向かっていたとき。