コップに触れた瞬間、ホッとしたように笑う女。 「おいしい…」 すごく幸せそうに言うから驚いた。 たかがオレンジジュースだ。 そんなに嬉しくなるようなモンじゃない。 「…何ですぐに触んなかった?」 突然の質問に、驚く女。 せっかくだから、聞いておこうと思って。 「コップ、じっと見てただろ。」 そう言うと、女は俺から目を逸らした。 上手く説明することが出来ないらしく、困っていたが、何となく分かった。