「そっか。そっかそっか」




「…?」




なぜか同じ言葉を繰り返す圭を不思議に思いながらも、聞くのが面倒でやめた。




「おめでとう」




「…さんきゅ」




俺がちゃんとお礼を言うようになったのも…




シオリと出会ったからだ。




シオリに出会ってなかったら、俺はまだ変わっていなかったかもしれない。




数え切れないくらい、シオリに教わったことがたくさんある。




それを当たり前だと思わないで、生きて行きたい。




「爽麻…?」




「あ?」




「どうかした?」




「…いや」