台所に立って、朝飯をつくり始める。 シオリがいない間に、レシピを増やした。 料理のことを考えるのは、全然苦じゃない。 圭にそう言ったら、 「シェフになれよ」 なんて言われた気もする。 職業として考えるより、趣味の方がいいや。 「爽麻っ」 部屋からシオリの声がして、そっちを見る。 俺を見つけたシオリは、何事かと思うくらいに目を見開いた。 …何かついてるか?