「はぁ…」



大きな溜息を、地面に零す。




放課後、女から告られた。




その女がしつこくて、帰るのがすっかり遅くなってしまった。




季節は、秋が終わろうとしている。




微かに冬の匂いを漂わせている。




日が短くなってきたこともあって、余計にそう感じる。




たくさんの人が歩いていた道を過ぎ、すこし人の少ない道に入る。




家まで、まだ時間がかかる。




あの女のせいだ。




そんなむしゃくしゃした気分になるのは、今日に限ったことじゃねーけど。