F.L―extra―

なぜ高塚は教師たちを怒鳴りつけたのか…

なぜ高塚は証拠の写真なんか持っていたのか…

なぜ高塚は俺を庇ったのか…



分からないことが多すぎるなか、俺と高塚は強制的に早退という形にさせられた。



高塚によって事態が一変してしまったから、教師たちは俺たちに構ってる余裕がないんだろう…



今頃“優美ちゃん”はどんな顔して言い訳してるのか…


無様な“優美ちゃん”の姿を想像すると、募った苛立ちが少し消えた気がした…











「…これ、やる」

俺は正門前の自販機でコーラを買って、高塚に渡した。

結果的に俺は、高塚に助けられたことになるから…



「おお、ありがとな」

「それじゃ…」

俺は、足早にその場を立ち去ろうとした。

しかし…

「関!!」

「…なに?」

「…一緒に帰ろう、な?」

助けてもらった、その負い目があるからなのか…

高塚に呼び止められた俺は、その誘いを断ることが出来なかった




「村田のやつさぁ、マジ頭悪いんだよ。いつもくだらないことばっかりやってて…」


一緒に帰ろうと誘ったからには何か話があるのかと思ったが、さっきから高塚は何事もなかったかのようにどうでもいい事ばかり話す


クラスの奴がどうしたとか…

バスケ部の1年で最近流行ってることとか…



「…なぁ」

「ん?何だよ?」

「…なんで写真なんか撮ってたんだよ」



痺れを切らして、俺からあの話題をふった。



「…うち、来ないか?」

俺の質問をスルーして、高塚はそう行った。



俺は、その誘いを断ることができなかった…