F.L―extra―

俺は立ち上がった…

すいませんでした

その一言で全てを解決するために。

だけど、口を開こうとした瞬間…

「…原田先生、もうウソ泣きと下手くそなお芝居はやめてもらえませんか?」

俺より先に口を開いたのは、高塚だった。



「高塚くん、何を言ってるの?私そんなこと…」

「じゃあ言わせて貰いますが。関くんが保健室に行ったのは、先生が関くんを呼び出したからですよね…わざわざ放課後の人があまりいない時間に」

「違う…突然関くんが保健室にきて、それで…」

「それで?」

「関くんが、関くんが私を押したおして無理やり…

「それが嘘だって言ってんだよ!!」


あの高塚が…

いい子ぶることだけが特技みたいな顔してた、あの高塚が…

“優美ちゃん”を怒鳴りつけていた


「あんた、自分から脱いでただろ?で、関が怯えてロクに抵抗出来ないのをいいことに関の服脱がして…」

「やめて!!私…私本当に!!」
「俺は見てたんだよ、あんたがやったこと全部。証拠ならここにある。あんたが本当のこと言うつもりがないなら、これ、警察に持って行く」




証拠…

そう言って高塚は、携帯電話を開き写真を見せた。


そこに写っていたのは…

半裸で俺を押し倒す、“優美ちゃん”の姿だった



「原田先生…これは!!」

口を開いた担任の声は、震えていた。

こんなに大人が狼狽える姿を、俺ははじめて見た気がした。

「写真は他にもあります。…先生方、これでも悪いのは関くんだ、と言うつもりですか?」





嘘の全てを見破られた“優美ちゃん”は、項垂れていた

決定的な証拠を突きつけられた他の教師たちは、呆然てしていた







それは、

まさに高塚の

完全勝利だった…