F.L―extra―

そんな雰囲気のまま半日が過ぎた。


そして、昼休み。



「関、職員室に来なさい。話がある」



担任が教室にやって来て言った。



俺を呼び出したのは、もちろん“アレ”の真偽を問いつめるためだろう…



いつの間にか“アレ”は、そんなにも大きな事件になっていた。




「嘘!…関くん呼び出しだって?やっぱりあの話、本当だったんだ」

「…関くん、そういうことする人だったんだ」




俺に聞こえるように言ってんのか、聞こえないように言ってんのか…

教室内は、一層騒がしくなった



もう、いい…


俺が“優美ちゃん”に謝罪する


足りないんだったら、学校なんか辞めてやる


それでいいんだろ…


今までだってそうだった…


悪いのは、俺


それでいい…


もう、慣れてるんだ


俺は、慣れてるんだ


だから騒ぐなよ…


俺にかまうなよ…




死刑台に向かう囚人のような気分で、俺は立ち上がった



そのとき突然…


「先生、俺も行きます。関くんと一緒に、俺も職員室に行きます。」


そんな、声がした。


…高塚だった。


「…高塚。お前は関係ない、来る必要はない」

「関くんが呼び出されるのは、原田先生との件のせいですよね。だったら俺は、関係あります。だから、行きます」

「…関係あるって、高塚お前なにを」

「関係あるもんは、あるんですよ。…だから俺は行きます、絶対にね」



担任が咎めるのを無視し、高塚は俺について来ると言い張っていた。


穏やかながら、有無を言わさぬ高塚のその口調に、いい子ぶることだけが得意な普段の高塚の面影はなかった…



高塚はいったい何を考えてるのか…


俺にはさっぱり分からない…