F.L―extra―

次の日の学校、俺は、いつもとは違った意味で、噂のネタにされていた…



「関くん、襲っちゃったらしいよ…優美ちゃんのこと」

「…抵抗した優美ちゃんを殴ったんだって。優美ちゃん、今日手に包帯巻いてたし」



どうやら、昨日の“アレ”を目撃したのは、高塚だけではなかったらしい。



そして、目撃した奴らは皆、高塚と同じように本当のことをわかってくれる気はないのか…



悪いのは、俺、だけ。



そんな、デタラメな作り話が、さも正しい話かのように飛びかっていた。



嘘だらけな奴らの会話を、俺はただ聞いていた。



否定しなきゃいけないことは沢山あった…



だけど…



否定の声を発するだけの力は、もうなかった…










そんな中で、高塚はずっと俺をみていた。



廊下でも教室でも、どこに行っても俺を見ながらヒソヒソと話す奴らの中で…



高塚は、ただ、俺を見ていた。



何か言いたげな顔しながら…