F.L―extra―

こいつは見ていた


高塚と目があった、瞬間に分かった。


いい子ぶることの得意な高塚が、俺をどう扱えばいいのか困ったような顔をしていたから…





「お前に…お前になにが分かるんだよ!!」


否定の言葉も非難の視線も欲しくなかったから、俺は怒鳴った。

ありったけの大声出して、高塚を怒鳴った。



そしてそのまま俺は、その場から走って逃げ出した







「…関!!」

高塚が俺を呼びとめる声が聞こえた、気がした…





高塚はきっと俺が“優美ちゃん”を誘惑してアレをしたんだって思ってる…

当たり前だ…

普通の保健室の先生は、生徒にあんなことしない…






いつだって悪いのは俺…

俺がいなければ

俺が関わらなければ

そんなことばっかりだ…






わかっていたはずなのに。

慣れていたはずなのに。








涙がとまらなかった…