全てが終わり、一つが始まる。
この世界は元々そうやって回ってきたんじゃねぇかな。

俺の呟きに御琴が答える。
「あんたのそういう言葉は聞き飽きた」
「そうかよ」
御琴の相手をしていると、なんだか妙に残念な存在になった気がするな。
ま、別にいいや。
「それはそれとして・・・さっさと教えろよ。俊達はどうなった?」
「俺にそれを聞くか?」
「あんたしか頼れる奴がいないんだよ。・・・本当は顔も見たくないのに来てやったんだから、感謝しろ」
なんで素直に頼めないかな、この馬鹿は。
ま、いいけどさ。可愛い後輩なわけだから許す。

「分からない、・・・そう言えばいいのか?」

「何か、あったってことかよ、それ」
「お前さ、何にもねーなら村があんな状態になるかっつの」
御琴の頭を軽く叩いて。
俺はきちんと打ち明けた。

「死んだよ」

「・・・そうだろうとは、思ってた」
勘が鋭いな、本当に。
「ま、今はまだ把握出来てないことが多すぎるからな。何か分かったら連絡するわ」
「・・・・・・」
「美月ちゃん、ちゃんと見とかねぇと危ねーぞ?」

御琴には、悪いことをした気になる。
だが・・・事実を伝えなければ御琴は更に傷つくのだろうから。

仕方ないよな、これは。

「片桐」
「んだよ、御琴」
「・・・情報屋って、楽しくないだろ」
御琴はそう言って、夜の街へ姿を消す。
煌びやかな光を放つ、都内のとあるバーで俺はその後姿を見つめ、呟く。

「楽しかねーよ、馬鹿御琴」