なんの変化もない、平和な毎日。
こんな日がいつまでもつづくのだと。
そう、思っていた。

LeD LiNK

街は雲に覆われている。
それでも、目に見えるものは絶えず輝いている。

東京、渋谷―

その副都心でも、巨大な液晶を通して大災害のことが報道されている。
ここでも酷い揺れを感じたのだから、無理もない。
僕はただ、美月の手を握り、その報道を無心で見ていた。

「みつき、あのばしょしってる・・・」

故郷の村がどうなってしまったのか、僕には分かっていた。
だけど・・・美月には、理解させたくなかったんだ。
だから僕は

「気のせいだよ」

美月に嘘を吐く。
美月が真実を知ってしまうことが怖かったからなのか、それとも、美月にはまだ早いと思ったのか。
分からなかった。
でも、もしかしたらその両方だったのかもしれない。
とにかく・・・僕は嘘を重ねた。

「みつきねー、とーきょーもすきだけど、しゅんくんたちとあそびたいなぁ」
「大丈夫だよ。今年の夏も会いに行こう」

行けるわけがないのに。
僕は嘘を吐く。

俊達と―彼らと会ったのは、冬休みが最後だ。

そして、もう、二度と―会うことは叶わないと、僕はこの後知ることになる。
僕の唯一無二の仲間と、故郷。
その両方を同時に奪った災害。

これは、運命に抗う僕と彼らの記録の1ページでしかない
断片を綴れば見えるのだろうか

僕と彼女の約束が―