「そうですか……」


ビューラーで睫毛をあげていたときに、聞こえてきた零の声はどことなく寂しげ。
まぁ、私の勘違いだと思うけど…。


よしっ! できた!

お化粧が終わり、上機嫌の私は、くるんと零と向き合う形で立つ。

それと一緒にワンピースもふわりと揺れる。



「なんかあったら、電話するわ」

「かしこまりました」



零はそう言いながら深々と頭を下げる。

なんだか違和感を感じた。


……なんか今日の零。

おかしい気がする。





…何でかしら?